二時間の語彙力で映画を語るVol.1

 

シュシュです。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

ジャニーズの次に映画を愛してやまない私が、

二時間という制限時間の中でどれだけ語れるかというのに挑戦したいと思います。

 

15秒で観てもいない出演すらしていない映画を宣伝するというのではありません……(笑)

 

 

 

今回は、『Red』について語っていこうと思います。

 

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※ここから先ネタバレを含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈あらすじ〉

 

商社マンの夫・村田真(間宮祥太郎)との間に、かわいい娘を持ち、何不自由ない恵まれた暮らしをしていた塔子(夏帆)はある日、かつて愛した男・鞍田秋彦(妻夫木聡)と10年ぶりに再会する。

自分の勤める会社の就職を勧める鞍田、夫を説得しそこに勤める塔子。

徐々に禁断の愛に溺れ、"自分らしさ"を見つけた塔子の決断とは…。

 

 

 

大体、"何不自由ない恵まれた暮らし"に不穏な情愛って付き物よね(笑)

私、そういうの、すごい……好き!!笑

 

 

冒頭シーンで展開される豪雪の中電話ボックスで何処かに電話をする今にも泣き出しそうな塔子。

駆け落ちか??と思うシーン。

電話の先は夫か……?

なぜ雪の中鞍田と………?

といろんな憶測をしながら視聴者の興味を唆ります。

 

 

 

 

〈村主塔子としての顔〉

 

シーンは移り変わり、娘の幼稚園へ迎えに行く塔子の姿。

娘の好物であるハンバーグを夕食で作る塔子へ、

姑が言います。

『そろそろお台所空きそうかしら?』と。

 

 

きたきた………嫁姑問題。

 

 

塔子は答えます。

「あっ、はい、すぐ…」

 

そして姑。

『急ぐことないわよ 終わったら教えてね』

 

 

 

いや…いやいやいや!!!!

急かしてるやんけ!!!

お上品な急かし方の最上級やんけ!!

 

 

怖いですね、姑。

こうやってジワジワ嫁を痛ぶるんですね。

 

こういう時願うのは、

せめて夫だけは味方であってくれ。と。

 

 

さて、その夫帰宅します。

どこかで会食を済ませて来たようで、

塔子がハンバーグを勧めると断ります。

ですが、母親(姑)が煮付けを勧めると、

「ちょっと食べようかな」と言い出す。

 

ここで塔子めげません!

自ら煮付けを温めに行き、刻み生姜を添えます。

そして台所に残る1人分のハンバーグを冷蔵庫へ。

強い…強いぞ塔子!!

 

 

そもそもハンバーグの日に煮付けってどういう組み合わせ??

そして真は確実にザコン

キッツいな………。

おまけにセックスレス

 

その後のシーンでもかなり勝手な夫像が描かれていて面白いので注目してみてほしいです。

 

 

塔子、そこに愛はあるんか?

信じられる愛はあるんか?

 

 

 

 

 

〈鞍田の恋人としての塔子の顔〉

 

雪の中車を走らせる鞍田。

隣には塔子がいます。

カーステレオから流れるのは鞍田の好きな曲。

 

長いトンネルに差し掛かり塔子が呟く。

 

「怖い。このままずっと外に出られない気がする」

 

それを聞いた鞍田は曲を止めようとしますが、

塔子はそれを拒みます。

 

ここで、

鞍田の好きな曲=愛する鞍田のいる世界

暗いトンネルの中=2人の置かれた状況

を表していて、

塔子は「ずっとこのままでいたい」というのを伝えているのだと思います。

また反対に、「現実に戻った時が怖い」という意を伝えているのではないかと。

 

 

 

 

夫に連れてこられた懇親会で10年ぶりに鞍田と再会を果たす塔子。

10年前、鞍田の設計事務所でアシスタントをしていた塔子。

その時既婚者だった鞍田とまだ大学生の塔子が不倫関係だった。

 

 

結婚して娘もいて、「今がとっても幸せ」

と鞍田に話す。

まるで自分に言い聞かせているみたい。

そんな塔子を見て鞍田は、

 

「君は、変わってないな」

と切ない表情を浮かべて言う。

 

鞍田が見ていた10年前の塔子も、

大人な鞍田に少し背伸びをして強がっていたんじゃないかなと。

そんな塔子が可愛くて仕方なかったんだろうな。

 

 

 

「鞍田さん、ズルいです。あなたがひどい人だってこと忘れそうになる。」

 

自身の勤める設計事務所での塔子の採用が決まった事を伝える鞍田への台詞。

 

過去に不倫して、夫がいるのにキスもして、

なのにやりたい仕事まで導いてくれて。

 

「ズルい」

って

「好き好き大好きすごい好き」

を色っぽく訳した言葉だと思う。

 

 

アメスピのイエロー吸ってて

大人びていて仕事もできて優しくて

なのにどこか掴み所ない男は全員ズルい!(私情挟むな)

 

 

 

 

〈等身大の塔子の顔〉

 

職場の上司・小鷹(榎本祐)に気に入られる塔子。

キスを迫る小鷹に塔子は不適な笑みを浮かべ言います。

「するならちゃんとして」

その気になった小鷹の手の中をするりと潜り抜けて悪戯っ子のように笑い逃げていきます。

 

32歳の等身大の塔子を描くのに決定的だと伺えるこのシーンがとにかく好き。

 

なんだ塔子、アンタやれば出来るんじゃない!!!(お前誰)

 

 

心を開き、打ち解ける小鷹と塔子に嫉妬をする鞍田。

隠し切れていないその顔がまたイイ!!

 

 

「あの人、一緒にいても1人で生きてる感じがする」

鞍田についてそう話す塔子に小鷹は、

「それ、塔子ちゃんも一緒だからね」

と言い放ちます。

鞍田と塔子は似ていると小鷹は言うんです。

この二人、母子家庭で育ったという共通点がありました。

 

 

 

 

〈窓から見える景色〉

 

この映画で一番印象深いのは、

窓(ガラス)から見える景色で二面性を持たせているところ。

 

雨の中車に乗る鞍田と塔子。

窓を伝う滴が交わり、外側から見える二人の姿。

 

鞍田の部屋から窓の外を眺める塔子。

 

ここまででかなり心情の動きが伝わります。

 

窓(ガラス)の内側=本心・泡沫の夢

窓(ガラス)の外側=取り繕う・現実

 

と考えられると思います。(あくまで自論)

 

定食屋のシーン。

食事を待つ鞍田と塔子。

その間、不安げに窓の外を眺める塔子を鞍田はじっと見ているんです。

 

 

実は冒頭で"駆け落ちか?"と言っていたこの雪のシーン。

仕事で新潟に一泊する塔子と小鷹でしたが、大雪で東京へ帰る交通手段が無くもう一泊した方が良さそう……。

家に連絡すると夫は帰ってこいの一点張り。

仕方なく雪の中を歩きタクシーを探す塔子の目の前に入院していたはずの鞍田が現れる(メロ………)

そして、東京まで送り届けてくれる道中。という事だったんですね。

 

 

ここで電話で夫と散々揉めた塔子ですから、

窓の外を眺め、"現実"に戻る不安をくっきり表しています。

 

 

クリスマスの深夜家を抜け出し鞍田と会っていたことを夫は察していました。

その事について説明が出来るのかと塔子に詰め寄ります。

「いつだって家族がうまくいくことを一番に考えてたよ。何も言えないよ。その方がうまくいくから。」

そして全て自分に非があったと認める塔子。

その後、夫の真っ直ぐな愛を受け取ります。

 

「(結婚とは)生涯でだだ一人好きになった女性と一緒になった事。」

 

塔子にとってその相手が夫ではなく鞍田だったのです。

以前母親に言われた言葉とリンクします。

「アンタ心底男に惚れたことないでしょ。」

「でもさ、人間さ。どれだけ惚れて死ねるかじゃないの?」

 

ここで決断を下した塔子は鞍田の待つ車へ戻ります。

 

 

 

〈鞍田の見せる世界〉

 

クライアントの仕事を請け負っていると、

自分が本来作りたい家はどんな物か忘れそうになる。

という鞍田は、自分の好きなよう思うままに家を設計します。

 

「(窓から)何が見えるんだろうね」

と鞍田は語りかけます。

窓の外側から見た"幸せ"を取り繕って生きてきた塔子に、内側から外に目を向けるよう促していた様に思えます。

 

出来上がった模型の内側から窓の外を見て、

「小さすぎます、もっと見たいです」

と不満そうに塔子は言います。見ていたのは鞍田の姿。

塔子は、現実の世界にも鞍田との日々を夢描いていました。

 

そして窓を大きく開けた模型の内側から今度は2人で窓の外を眺めている幸せそうな顔。

 

 

外側から見た内側

内側から見た外側

 

どちらにも32歳の塔子はいるはずなのに、

どうしてか本当の自分はいない気がしている。

 

極め付けは、仕事(外の世界)を始めた塔子へ、

「塔子らしくない」という理由で退職を促す夫。

 

 

 

 

朝焼けの紅い朝日が登る道を運転する塔子。

これぞ本来の"塔子らしさ"なのではないかと。

 

 

 

〈あとがき〉

 

はい、二時間経ちました。

かなり端折ったと思います。

もっと私の語彙力があれば………

ただの不倫情愛映画ではない、画を上手いこと使って登場人物の心情を見せられて感情移入しやすいかと思います。

 

村主亭の窓の外って見えないんですよね。

というか、窓の描写が一切ない。

ここもおもしろいなと思います。

 

 

もし、この映画既に観たよって方の考察や感想をお聞きしたいです。

また、この映画オススメ!などありましたらぜひ教えてください。ジャンル問わずなんでも観ます。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!!